森口美樹

小川と友達になる
上左:小川との対話 “あの時の私の体も私の心も私のものではない”
上中:二つの絵画の対話のための絵”小川の返事、小石たちへ”
上右:小川との対話”その時わたしは、命のつづきを望んだ”
下左:小川との対話「大丈夫だよ。」
下中:小川との対話「幸せに。」
下右:小川との対話「ちゃんと言えた?」
 
 
森口美樹
Moriguchi Miki

コメント

作品によせて

[小川と友達になる]

映画、[奈良美智との旅の記録]の中に、韓国人の7歳のセヒという女の子が出てくる。
セヒは、小川のある地方のおばぁさんの家で小さい頃育てられた。
母と父、弟と生活できるようになると、セヒは、小さな頃育った地方の田舎を恋しがるようになる。
セヒに、今生活している所でできた友達、「仲良しのヘヨンがいなくてもいいの?」と聞くと、セヒは、「小川と友達になればいい。」と答える。

子供の頃、家の近くにあった小川に小石を投げ入れるのがすきだった、小川が返事をしているみたいで すきだった。あの時、確かに小川と私は友達だったのだと感じる。
それはセヒが教えてくれた。どこにでもある特別なものだった。

この10年、故郷から離れ、知らない土地に連れてこられ生活し、ハイジの様に故郷の面影を知らない町で探し求めた。世間ではそれをホームシックというらしい。
その探し求めたものは、草や花、季節の匂い、刻々と変化していく日差しのように、全て、どこにでもある、しかし、特別なものだった。
それは、小川とおしゃべりに会いに行くために、小さな頃、庭で丹念に選んだ小石をひとつだけ拾うように、どこにでもある、しかし、特別なものなのだ。ということを忘れないでいたい。

森口美樹

作品について

この作品では、小川とわたしのこの10年間にあった出来事の対話、その言葉を刺繍したオーガンジーの小袋に対話(小川の返事)となる小石を入れたもの、対話のヒントとなる挿し絵のような絵画、小川との対話のために、選び拾った小石を宝石箱に入れ、それらの連作をひとつの作品として展示する。

自己紹介

1990 福島県双葉郡生まれ
2013 女子美術大学 卒業
2021 現在、いわき市在住